利回り14%超・・・難敵アパート売買、売れない不動産を売れる不動産へ

写真のアパートはイメージです
写真のアパートはイメージです

今日は22時半から、日本テレビ系列で菅田将暉さん主演の3年A組 今から皆さんは、人質ですの第5話ですね。

僕はあまりドラマを見ないのですが、ミステリーやサスペンスは大好物。

このドラマは放送前から気になっていて興味本位で見始めたドラマです。

菅田将暉さんの印象って、このドラマを見るまで勝手な先入観であまり良くなかったんです。

菅田将暉さん=「あ~イケメン俳優ね」という感じで少し斜に構えてみていました。

ところが、鬼気迫る演技に久しぶりに超本格派の演技派俳優だなその印象が180度変えられました。

そんな3年A組を今日も楽しみに、休みなのに事務仕事をしながらブログを書き始めてしまった新富不動産スタジオの川村です。

築20年超木造アパートの売買

さて、3年A組とはまったく関係ない話ですが・・・

今年に入って売買契約が完了した静岡県東部の収益物件(一棟売りアパート)があります。

木造2階建て、築22年のそこそこ築古のアパートですが表面利回りはなんと14%超

スルガ銀行の不正融資以降、収益物件購入の融資を全国の金融機関が出し渋りをしている状況でもなかなか収益物件の価格が落ちてこない状況ですが、この物件はなかなか利回りが高いですよね。

売れない状態の不動産を売れる状態へ

ただですね・・・

このアパートがまたなかなかの難敵・・・

というのも、不動産ってなんでもかんでも手をかけずに売却できるわけではないのです。

今の状態だと売りたくても売れない状態なのです。

詳しくは下へ。

建物の表題登記・所有権保存登記がされていない未登記建物

このような建物付きの物件の場合、建物の所有権も土地と一緒に新所有者に移転するので、建物が登記されていることが前提なんですが、この物件建物未登記なのです・・・

所有権の登記をするためには、謄本でいうと「建物の表題部」を登記するための建物表題登記(昔は表示登記といっていました)というものもしていないとならないという大前提があるのですが、この物件表題登記もしていなかったんですね・・・

不動産の登記簿謄本
不動産の登記簿謄本

売主さんに事情を聞いても、登記されていないこと自体ご存じなくて

新築したときに建築屋が言う通りに手続きしていたんだけどな~

とのこと・・・

「おい、建築屋!建物表題登記&所有権保存登記やっておけよ!!!」

と突っ込みたくなっちゃいますが、突っ込んだところで建物が登記されるわけじゃないので、売主さん負担で建物表題登記と所有権保存登記をする条件で不動産売買契約を締結しました。

なんと150坪の土地なのに、登記簿上面積が17㎡しかない

これだけならいいんですが、他にも笑うしかないようなことが・・・

実際の土地の面積は約150坪ほどあるのですが、登記簿上の面積が17㎡しかない。

「なんで!?!?」

と最初は思いましたが、事情を聞くともともとこのアパート含む一帯の土地を売主さんご家族で所有していて、徐々に土地を分筆しては売って、また分筆しては売ってということを繰り返してきた模様。

分筆するときは測量をして、後に分筆の登記をするのですが、昔は測量するときには対象地だけを測量して、それ以外の残った土地はもともとの面積から測量して分筆した面積を引き算で出すというざっくりしたやり方で求積していたのです。

残った土地を「残地」と呼びますが、残地→残地→残地ということを繰り返した結果が、150坪なのに5坪しか登記面積がないという面白い状態をつくった模様。

ただこれだと融資を出してもらうのに正確な評価が出せないので、測量し地籍更正登記を行うという売買条件を加えさせてもらいました!

地籍更正登記とは

地籍更正登記っていうのは、名前の通りで測量して正しい面積を出し、その正しい面積に登記上の面積を更生する登記のことです。

隣地土地所有者との過去のいざこざ

しかも契約の直前に、売主さんから「隣地の方と関係断絶しているから境界立会の印鑑もらえるかな~」としれっと言われ・・・

しょうがないので、先行して土地家屋調査士に動いてもらい、隣地の方の雰囲気を探ってもらい大丈夫そうな雰囲気だったので契約となりましたが、念のためもし境界確定の印鑑をもらえなかった時は買主さんに迷惑がかかるので、「境界確定ができない場合は白紙解約にする」という停止条件付での契約とさせてもらいました。

何とか先週に隣地の方から無事印鑑をもらうことができたので、ようやく第一ステップクリアとなりほっと胸をなでなで。

空室の原状回復未了

他にも空き部屋で原状回復をしていない部屋があるので、買主さんから「原状回復後の引き渡し」の条件が出たので、金額を出し渋る売主さんとリフォーム費用でも交渉交渉交渉・・・

売れない状態の不動産を売れる状態に調整するのも不動産屋の役目

なかなか一筋縄ではいかない難敵ですが、ようやく売買できる状態が見えてきたところです。

こんな感じで、不動産取引は売れる状態にない段階で売り出し、契約後に売れる状態にカスタマイズしていく作業が発生する場合もよくあるんです。

不動産屋ってなにもしてなくて高額な報酬をぶん取っていると思われがちですが、その取引の目に見えない部分で、関連業者さん達を動かしながら時間と労力を使って色々と細かい調整をやっているんですよ。

どうです!?

ちょっとは不動産屋のこと見なおしました?

やって当たり前だろと言われてしまいそうなのでこれ以上は何も言いません・・・

こんな感じで日々細かな調整に明け暮れる不動産屋の難敵アパート売買最前線からのリポートでした~。