【不動産売買のポイント】重要事項説明書・契約書はどんなことが書いてあるの?

重要事項説明書・売買契約書は気を遣います

今日は3月31日。

2018年度も今日で終わり。

いよいよ明日は平成に続く新元号発表の発表ですね。

4月1日の発表以降5月1日からいよいよ新元号となり、新たなスタートが始める予感ですね。

さて、明日は区分所有マンションの売買契約です。

不動産売買契約をされたことのある方ならご存知かと思いますが、売買契約の際には2つの重要な契約書類が交付・説明されます。

その2つの重要書類である重要事項説明書と不動産売買契約書。

今日はこのことについてお話させていただきます。

ご興味のある方はぜひご覧くださいね。

不動産売買契約

不動産を買うとき、売るときには、買主さんと売主さんが契約内容に合意したことを証明するために不動産売買契約書への署名捺印をもって売買契約が成立したこととなります。

初めての不動産のお取引だと、売主さんも買主さんもこの契約手続きって緊張したりするものなんです。

実は・・・

不動産売買契約書には決められた所定の内容というのは特段ないのです。

え、そうなの!?

そうなんです。でもあまりに自由だとトラブルのもとになるので標準的な書式(推奨書式)が不動産業界の各団体ごとに用意されているのですよ。

まずはこの不動産売買契約書に一般的に記載される内容についてご紹介します。

不動産売買契約書の契約条項

  • 売買金額、支払方法、支払時期
  • 所有権移転に関する事項(方法、時期)、引渡について、担保の抹消について
  • 土地面積と売買代金の定め方(公簿面積か実測面積。実測の場合増減による代金精算の有無)
  • 瑕疵担保責任の定め(瑕疵担保責任を負うかどうか。また追う場合時期や範囲など)

ざっくりとお話すると上記のような内容が不動産売買契約書には記載されています。

その他の事項も約定事項として記載があるのですが、重要事項説明書と同様の内容が記載されている場合が多いですね。

重要事項説明書の記載内容

重要事項説明書?なんだそれ?

重要事項説明書というのは、対象の不動産についての重要事項を説明する不動産取引の説明書のようなものです。宅地建物取引業法という不動産取引を司る法律の35条に、「不動産売買契約に前もってその不動産についての重要事項を事前に説明しなければならない」と定められているのです。

重要事項説明書は不動産屋がその不動産について色々と調査をして、調査事項を記載していくんです。

この重要事項説明書を、不動産売買契約を締結する前に宅地建物取引士の有資格者が不動産の買主さんに重要事項説明書をもって重要事項の説明をしなければならないのです。

何が書いてあるかというとその不動産ごとに違う内容があるのですが

  • 不動産の表示
  • 売主さん情報
  • 登記情報
  • 都市計画法・建築基準法・それ以外の法令に関する制限
  • 電気ガス水道などライフラインに関する事項
  • 私道に関する事項
  • 建物の調査状況(建物付き不動産の場合)
  • お金に関する事項
  • 契約の解除や損害賠償に関する事項
  • 取引条件
  • 融資に関する事項
  • その他色々な重要な事項

ざっと簡単に紹介してもこんな沢山の情報が重要事項説明書に書かれるんです。

宅地建物取引業法では、重要事項説明は買主さんにだけすればよいとされています。

ただ不動産取引の通例としては、売主さんに対しても確認の意味も込めて重要事項説明書の内容の説明は行う場合が多いです。

重要事項説明書は不動産屋が役所等で調査し作成

この重要事項説明書をつくるうえでは、不動産屋さんが役所調査や関係省庁への調査、各種ライフライン会社の調査、金融機関、権利関係調査、中古分譲マンションの場合はマンション全体の管理に関することや管理費・修繕積立金に滞納がないかどうか、などなど様々な調査をしていくわけです。

売却のご依頼を受けた時点である程度事前調査を行うのですが、詳細内容の調査は不動産売買契約が決まってから行われるのが一般的。

契約が決まったらさらに詳細調査を行ってこの重要事項説明書が完成するのです。

売主さんにとっては、おかしな内容・事実と違う内容で大切な不動産の売買契約が締結されてしまったら大問題。

買主さんも対象の不動産に関する重要な事柄を知らされず、売買契約を締結してしまったら大問題。

そのためにこのような重要事項説明書がつくられるんですね。

重要事項説明書に記載があっても説明をしなければNG

先程も書いた通り、不動産売買契約の締結前には、不動産屋の宅地建物取引士が重要事項説明を買主さんに事前に行わなければならないのです。

不動産取引というのは大きなお金の動くお取引です。

そのため、色々とお取引を巡ってトラブルが起こることも多いのです。

突然不動産取引についてのトラブルに巻き込まれたときに、こういうやり取りがあったとします。

そんなことは聞いてないじゃないか!!

重要事項説明書に書いてありますよ!!

こういう場合であっても、いくら重要事項説明書にそのトラブルの原因になる内容が書いてあったとしても、しっかりと説明がされていなければダメなのです。

もしこういうケースがあったとしたら不動産屋に対して責任追及ができるのです。

不動産屋にとっても不動産売買契約はとても神経を使うもの

仲介をする不動産屋としても、その不動産取引についておかしなことをしてしまったら、仲介業者責任として損害賠償請求される可能性もあるんです。

不動産屋にとっても、重要事項説明と売買契約書の作成は慎重に気を遣い作成・説明をするわけです。

仮に調査内容に不備があって事実と異なることを重要事項説明書に書いて説明してしまったり、調査漏れがあり重要事項の記載をしていなかったりすると大問題!

僕も不動産歴が長いので、今までに何度も不動産の契約書類を作っています。

それでも不動産は一つひとつ違う全く同じものがないオンリーワンのもの。

毎度毎度、取引内容も違えば物件も違うので、いつも非常に気を遣います。

でも手を抜いてやってしまうと関係者全員が損害を被る可能性を秘めているのが不動産取引。

決して手を抜かず、安心安全な取引を実現できるよう時間をかけて契約書類をつくっています。

過去の怪しい重要事項説明書・・・

前にブログで書いたのですが、今までに重要事項説明書に記載の内容が誤りばかりでかなり怪しい取引を何度か見たこともありました。

そのときのブログはこちら。

※昔のブログで大変見にくくてすみません・・・

www.shintomifudosan-s.com

簡単に言うと

  • 記載しなければならない部分が虫食い状態
  • 不動産取引の慣習を度外視した契約条件が定められている
  • 怪しいと思った売主さんが別の不動産屋にチェックを頼んでおかしな重要事項説明書であることが発覚

怖いですね・・・何のためにおかしな内容の重要事項説明書を作ったのかはわかりませんが、このまま契約したら大問題です!

不動産取引は一歩間違えると関係者全員を巻き込んだ大トラブルに発展する可能性を秘めているのです。

高額な資産を売買するとても重要な契約となるので、不動産屋もかなり気を遣うのです。

もしおかしな内容の重要事項説明書や契約書が出てきたら、セカンドオピニオンとして信頼できる不動産屋にチェックや助言をもらうようにしましょうね!

最後に

今日は不動産を買う・売る場合の重要事項説明書と不動産売買契約書についてお話しました。

不動産取引って本当に一歩間違えると大問題が発生してしまいます。

それだけ怖いお取引なのです。

必ず不動産屋から契約前に事前に重要事項説明と契約内容の説明を受ける機会があると思いますので、もし不明な点・疑問に思う点があったら必ずそのことを理解できるまで深堀して確認しましょうね!

もし質問に対して明確な回答を返してこないような不動産屋だったら、疑ってかかって解決されるまで契約を伸ばしてもらうというのも手ですよ。

これを読んでくれた方が無用な不動産トラブルに巻き込まれないように、事前の知識としてこの記事を活用していただけたら嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。