【何で同じ物件情報がたくさんあるの?】不動産広告の特徴と取引成功のコツ
不動産広告って好きな方は好きですよね。
それに家を買おうと思ったことのある方、借りようと思ったことのある方も、一度は不動産広告って見たことあるんじゃないですか?
今日はみなさん一度は疑問に思ったことがあるかと思うのですが、同じ不動産サイトから同じ不動産情報がいっぱい出ているからくりについてお話します。
- 不動産情報サイトの代表例
- 同じ不動産サイトに同じ不動産情報が何個も出ている?
- 売主さん・大家さんが不動産屋1社のみにお願いしているか、それとも複数の不動産会社にお願いしているか
- 何で同じ物件・同じ部屋が同じサイトに載っているの?
- 一般媒介と専任媒介とどっちがいいの?
- 買主・借主の立場でより良い条件で物件を制約させるポイント
- いい不動産会社・担当者と出会うのが取引成立の重要なポイント
不動産情報サイトの代表例
さて、みなさん。
家を買うときも借りるときも、インターネットを使って不動産情報を探すことが多いですよね?
僕も昔賃貸を探すときはやっぱりインターネットで物件を探しました。
多くの方がよく見る不動産サイトの代表例としては
- アットホーム
- SUUMO
- LIFELL HOME'S
あたりが多いかなと思います。
地場の不動産会社はアットホームを使っている業者さんが多いです。
反対に大手の不動産会社や多店舗系不動産会社、駅前立地の不動産会社なんかはアットホームに加えてSUUMOやLIFELL HOME'Sを使っている業者さんが多いかな。
だからアットホームって、地場の不動産会社しか扱っていないレア物件なんかも多いんですね。
この3つの主要不動産サイトを見れば、おそらく市場に出ている(表に出ている)不動産情報のほとんどは網羅されているといっても過言はないかと。
逆に水面下不動産情報は一切広告には載らず、ネットワークの中で取引が完結されるので、いくらインターネットを見ても出てきませんよ。
同じ不動産サイトに同じ不動産情報が何個も出ている?
これらのサイトをご覧になったことのある方も多いかと思います。
そこでみなさん、気になることはありませんでした?
そう!
同じ不動産サイト(例えばアットホーム)の中で、同じ物件・同じ部屋(例えばAマンション404号室がB不動産・C不動産・D不動産から募集広告が出ている)がいくつも載っているのを見たことありませんか?
そうなんです。
同じ物件、同じ部屋の不動産情報が、同じ不動産サイトから大量に出ているんですよ。
ここからはそのからくり、ご説明しちゃいますね。
売主さん・大家さんが不動産屋1社のみにお願いしているか、それとも複数の不動産会社にお願いしているか
不動産の売却は媒介契約という「営業活動と契約の調整を依頼する」契約があります。
媒介契約にはおおまかに分けると
- 1社の不動産会社にしか依頼できない媒介契約(専任媒介・専属専任媒介)
- 複数社の不動産会社に依頼できる媒介契約(一般媒介)
上記の2つの契約形態に大別されます。
媒介契約の特徴
レインズとは、「Real Estate Information Network Systemの」の略
不動産流通標準情報システム。
簡単にいうと、不動産会社しか利用できない「アットホーム」「SUUMO」のようなサイトで一般の不動産業者じゃない方は見ることのできない不動産情報サイトがあるのです。
レインズに物件を掲載することで他の不動産会社が抱えている不動産購入希望者の中で、その物件に合いそうなお客さんを紹介してもらうことができます。
業務報告とは
図の中の業務報告というのはですね、専任媒介契約や専属専任媒介契約を結んだ場合、必ず不動産会社が業務処理状況(レインズの登録や広告などの営業活動や引き合いの状況など)を報告しなければならない宅地建物取引業法上の義務があるのです。
専属専任媒介契約の場合は1週間に1回以上、専任媒介契約は2週間に1回以上、売主さんに媒介業務の状況を報告することが決められているのですね。
何で同じ物件・同じ部屋が同じサイトに載っているの?
一般媒介契約の場合
一般媒介契約の場合は、売主さんから直接複数の不動産会社に対して、その不動産の売却活動を依頼します。
依頼を受けた複数の媒介業者(不動産会社)が同じ不動産サイトに同じ物件・同じ部屋を「媒介物件」として広告掲載しているのです。
専任媒介契約の場合
専任媒介契約の場合は、売主さんから直接売却活動の依頼を受けている不動産会社は1社のみです。
その媒介業者(不動産会社)は、自社で不動産情報サイトに広告を掲載します。
また、依頼を受けた媒介業者(不動産会社)から、複数の協力関係の不動産会社に対して、物件紹介のお願いをして、媒介業者(不動産業者)の許可をもらってから不動産情報サイトへ広告を掲載する場合もあるんです。
※賃貸の場合はこのようなケースがよく見受けられます。
※売買の場合は広告活動は許可しないという不動産会社が多いです。
一般媒介と専任媒介とどっちがいいの?
どちらがいいかというと・・・正直なところ正解はありません。
一般媒介の方が、多くの不動産会社が抱えるお客さんに不動産情報をリーチできる可能性が高くなります。
その一方で成功報酬の不動産の世界では、一般媒介で依頼を受けてどれだけ頑張って営業活動をしようとも、最後に他の不動産会社のお客さんで決まってしまったら報酬ゼロ。
不動産会社としては、やる気が出にくくて売却活動が消極的になることもあります。
一方、専任媒介は必ず売主さん側からの仲介手数料が媒介業者(不動産会社)の手に入るので、不動産会社は積極的に売却活動を行います。
ただその媒介業者(不動産会社)の力量があまりなかった場合
・・・成約までの道のりが遠くなる場合も。
そして、ここが幼注意のポイント!
専任業者(不動産会社)は、売主さん側の仲介手数料は必ず手に入ります。
ただそれだけでなく、買主さんを自社で見つけて成約できれば、買主さん側からも仲介手数料も受け取れるのです。
このように、売主さん側と買主さん側両方を1社の不動産会社がやる場合を「両手取引」と言います。
両手取引という一度で二度おいしい行為が制限されていないので、媒介業者(不動産会社)が他の不動産会社に広告NGとする場合もよくあります。
専任媒介で依頼して、専任業者が協力不動産会社にも広告掲載OKにしてくれるパターンが最も成約に近いのではないでしょうか。
買主・借主の立場でより良い条件で物件を制約させるポイント
同じ物件で複数の広告が同じサイト上に出ていた場合に、買主・借主さんの立場として最も有利に商談が進めやすいのは、物件概要欄の「取引態様」を見ましょう!
取引態様が「媒介」になっている不動産屋だったら、売主さん・大家さんと直接交渉できる立場なんです。
この取引態様が「仲介」となっている場合だと、広告主の不動産会社は自社では直接売主さん・大家さんと連絡・交渉できる立場ではなくて、必ず専任業者の不動産会社を通じて、売主さん・大家さんと交渉です。
ですので、売主さん・大家さんとの距離感が遠くて、交渉がまとまりにくい場合もあります。
あくまでそういう場合もあるということなので、必ずしも交渉がうまくいかないということではありませんよ。
あまり一般の方が気にするポイントではないと思うのですが、不動産屋からのアドバイスとしては、この取引態様欄をしっかり確認して、媒介業者を見つけ出すことって結構大事なことなんです!
いい不動産会社・担当者と出会うのが取引成立の重要なポイント
上記のように、一般媒介と専任媒介の違いと特徴を書きました。
売主さんの立場で言うと、専任媒介契約を結び、その専任の不動産会社が自社で物件を囲い込まずに、その他の不動産会社へ積極的に広告掲載OKにしてくれる会社に依頼するのがいいです。
こういう会社が不動産会社同士でも一番お付き合いしやすいので、積極的に購入希望者を紹介しようという気持ちにもなります。
反対に買主さんの立場だと、まずは広告に複数の会社が載っていたら、取引態様を見て「媒介」業者を見つけ出しましょう。
媒介業者を発見したら、問い合わせから交渉までをその媒介業者にお任せするのが、最もよい条件で取引ができるポイントになろうかと思います。
どちらにしても、いい不動産会社・いい担当者と出会えることが、不動産取引の成功のカギ。
自社(担当者個人)の欲を優先するようなそぶり口ぶりの不動産会社・担当者だったらすぐに他の不動産屋さんに行きましょう!
いい不動産取引ができるよう少しでも参考になれば嬉しいです。