融資不調で区分マンション値上がり?区分マンション投資のメリットとデメリット

区分所有マンションの価格上昇
区分所有マンションの価格上昇

朝は雨模様でしたら、昼過ぎから日差しが刺して、今は晴れて気持ちの良い気候ですね。

今日は2月からスタートした投資用の区分マンションの契約書・重要事項説明書のチェック。

ようやく3月末になり、契約ができる状態となったので、売買契約に向けた準備中の新富不動産スタジオの川村です。

さて、そんな流れから、今日は中古の区分マンションの投資についてお話ししようと思います。

区分マンションは投資用不動産としては、首都圏を中心に悪徳ワンルーム投資が横行したりと悪評が立っていたりしますが、デメリットもあればメリットもあります。

今日はそんな区分マンション投資のトレンドと、メリット・デメリットを解説します。

小額不動産投資をスタートしたい方はぜひご覧ください。

区分マンションの価格が上昇

先日、収益物件専門の大手不動産ポータルサイト『健美屋』の収益物件市場調査の結果(2月4日付)より、区分マンションの平均価格が4カ月連続で上昇しているという調査結果が出ました。

※健美屋の記事はこちら。

https://www.kenbiya.com/ar/ns/research/price_trends/3505.html

今回も静岡市街中の単身用区分マンションの売買のお手伝いをするにあたって色々な区分所有物件物件の価格を見ましたが、1年前と比べても価格が30~50万円ほど高くなっているような感覚・・・

どの物件も、元付業者の不動産屋さんに価格交渉の余地を確認すると『交渉できたとしてもほんの少額しかできないと思うよ』という回答がほとんど。

なぜこの時期に区分マンションの価格が上昇を続けているの?

その理由をこれからご説明しますね。

スルガショックが不動産投資市場に与えた影響

みなさん、スルガショックってご存知ですか?

スルガショックとは・・・

昨年破綻したスマートデイズ社の『かぼちゃの馬車』というシェアハウスを建築・購入する不動産投資家に対し、スルガ銀行が買主の通帳残高の改ざんなどをして不正融資を行っていたことが発覚。

その結果、スルガ銀行は投資用不動産の購入資金融資業務につき、金融庁から一部業務停止命令という行政処分を下されました。

その結果、金融庁の眼を恐れた全国の金融機関が投資用不動産購入資金融資を貸し渋るようになり、融資購入を前提にビジネスモデルが成り立っていた不動産投資市場に大打撃を与えた出来事。

スルガショックにより一棟物件の融資が受けられない

スルガショックは不動産投資市場に大打撃を与えました。

不動産投資は他人資本(銀行融資)でレバレッジを効かすことができるのが大きな魅力であったため、多くの不動産投資は金融機関から融資を受けて投資用不動産を購入していました。

そのため、不動産業を生業としていない自営業者や安定した所得があるサラリーマンでも、投資用不動産を購入し副業として不動産投資を行える状況が生まれていました。

スルガショックによって、投資用不動産購入資金の融資を受ける条件のハードルが上がってしまったのです。

最近の金融機関の融資条件トレンド 

  • すでに不動産賃貸業の運用経験がある方
  • 自己資金は諸経費+売買価格の10~20%
  • 借入年数の短期化
  • 借入利息が高くなった
  • 副業としての投資用不動産購入資金融資はNG

各金融機関により、条件や審査基準は異なりますが、多くの金融機関が上記のような条件を掲げ金融庁対策をするようになった結果、今まで一棟物件(アパートや賃貸マンションなど)の投資用不動産を購入してきたサラリーマン投資家が融資を受けて物件を購入できなくなってきてしまったのです。

当然全額自己資金で購入できる不動産投資家は限られるため、一棟物件が売れない状況(買えない状況)が生まれてしまったのです。

一棟物件から区分マンションへの流れ

融資が出ないからって指をくわえて見てるのは嫌だ!

区分マンションなら一棟物件よりは安いし多少自己資金出して買えるかも

まさに今、こんな方が増えているんです。

こんな融資状況でも、不動産投資家は一度収益物件を購入したらどんどん買い増していかなければならない状況が生まれたりもするので、物件を購入するために一棟物件から区分マンションへシフトチェンジする方が増えているのです。

区分マンションなら自己資金も少額となるので融資のテーブルに乗りやすい

売買金額が少額となる区分所有マンションであれば

  • 売買価格自体が一棟物件に比べて安い
  • 購入諸経費も一棟物件に比べて安い
  • 諸経費+売買価格の10%程度なら自己資金でねん出できる

このような理由で区分マンションなら購入できるという方は多いんですね。

区分マンション投資の特徴

区分マンションは買いやすいのはわかったけど、メリット・デメリットを知りたいな。

そう思うのは当然のこと。

よく区分マンション投資は儲けも少ないし1室ということで手続きや会計の手間もかかるから嫌だという話も聞きますが、実際どうなんでしょう?

では区分マンションのメリットとデメリットを見ていきましょう。

まずはデメリットの方から。

区分マンション投資のデメリット

  •  儲けが少ない
  • 売却益が狙いにくい
  • 管理費や修繕積立金などのランニングコストがかかる
  • 1室なので購入手続きや会計処理がめんどくさい
  • 100か0なので空室リスクが高い
  • 減価償却期間が長いため1年で算入できる減価償却費が少ない

区分マンション投資のメリット

  • 基本スペックが高く、競争力がある
  • 立地がいい物件が多い
  • 投資額が少額で済む
  • 諸経費も少額で自己資金が少額で済む
  • 室内の管理のみのため管理の手間が少ない
  • 修繕範囲が室内のみなので大きな修繕費用がかからない
  • 管理人等がいることが多く古くても美観が保たれている
  • 1室ごとなので複数室持てばリスク分散ができる

確かにデメリットもあるけど、思った以上にメリットがある印象だな。

そもそも物件のスペックが良くて、賃貸物件より美観や管理状態が保たれやすいから『入居付けがしやすい』という最大のメリットもあるんですよ!

融資不調の今は区分マンション投資という選択肢も有

今現在、区分マンションの販売価格が上昇基調ですが、それでも区分マンション投資のメリットは意外に大きかったりします。

区分マンション投資は、不動産投資経験が浅い方が入り口として購入されるケースも多いので、特に通常の賃貸物件に比べて入居付けがしやすいというのが最大のストロングポイントだと思います。

ただ、区分マンションは1室ごとしか持てないので100か0の世界。

空室リスクが高いことに加えて、1室のみではキャッシュフローも少なく投資効率も悪いため、1室目の購入を皮切りに3室程度保有して初めてリスク分散と投資効果を実感できるかなとも思います。

融資不調のご時世。

そんな状況下ではありますが、これから不動産投資を始めたい方、また不動産投資を牛歩でも拡大したい方は、この融資不調という流れを逆手にとって、区分マンション投資という選択肢も検討してみるのもいいのではないでしょうか。

区分マンションは今が売り時?

これまで区分マンションを購入して不動産投資をやりたい方向けのことを書いてきましたが、今は価格も上昇していますし区分マンション投資に目を向ける方が多くなってきたので、区分マンションを所有されている方は逆を言うと今が売り時です。

このトレンドをうまく利用して、高値で売りやすい今、所有されているマンションを売るのも手です。

要注意!全てのマンションが売り時ではない

ただし、次のような区分マンションは投資物件として見られないのでこのトレンドを狙って売却を見込むのは危険です。

  • 大型のファミリータイプ住戸
  • 家賃のあまり取れない郊外型
  • 年々中古市場での売却価格を下げ続けているマンション

ファミリータイプは面積が広いため価格が高くなりがち。でも家賃単価は単身物件より安くなるので、利回り・キャッシュフローが取れず投資に向きづらいです。

郊外型は家賃が取りにくいので利回り・キャッシュフローが取れず投資に向きづらいです。

売買価格が年々下がり続けているマンションは競争力のない物件なので、賃貸でも同様に競争力に欠けてしまうため投資に向きません。

売り時のマンション

反対に今売った方がいいマンションは次の通り。

  • 街中物件
  • 単身向けや2LDK程度の比較的小規模の住戸
  • 賃貸需要の高いエリアの物件

こういうマンションは投資として購入を考える方が出てくる可能性がありますので、この時期に売却も一つの手だと思います。

最後に

今日は区分マンション投資について書かせてもらいました。

一見するとデメリットばかり目立つ区分マンション投資ですが、メリットもとてもたくさん。

これから不動産投資を始めたい方や、融資不調のこの時期にも資産を拡大したい不動産投資家の方は、区分マンションの購入も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

不動産投資の成功には物件の選定がとても大事なファクターです。

間違っても変な物件を買わないように、信頼できる不動産業者と一緒にいい物件を選んでくださいね。