不動産売却査定は要注意!「査定額」の注意点とそれ以外のチェックポイント
今日は晴れて暖かい日。
花粉たちも元気に舞っていますね。
僕は花粉に負けてグロッキーです。
どうでもいい話をすみませんでした。
今回は不動産の売却編です。
不動産を売ろうとしたら皆さん不動産売却査定って気になりますよね?
そんな誰もが気になるであろう「不動産売却査定」について。
「自分は不動産持ってないから関係ない」
とお考えの方でも、例えば相続などで、突然不動産を所有しなければならなくなることもあったりします。
そういう場合、突然不動産を売る必要に迫られるような境遇になる可能性もあるかもしれません。
そんなときに困らないように、ぜひ読んでみてください。
不動産業には「買」の仲介と「売」の仲介があります
さて、今日の話ですが、先ほど中古マンションの売買契約が終わりました。
今回弊社は買主さん側の「買の仲介業者」の立場。
不動産を買いたいお客さんから購入に関する希望の条件やご要望を聞いて、売りに出ている不動産情報の中からそのお客さんの購入希望条件に近い不動産を探してお客さんにご紹介。
今回は条件交渉もうまく折り合い、先ほど晴れてご契約をいただきました。
こういった買主さん側の仲介業者の立場のことを、不動産業界用語では「買の仲介」と言います。
今回のお話は不動産の購入ではなくて、不動産の売却のことがテーマです。
不動産業界用語でいうところの「売の仲介」のお話です。
不動産売却についてダイアモンドオンラインの面白い記事
今日も朝から恒例のネットニュースチェック。
するとYahooニュースで不動産関連の記事を発見。
不動産屋としてはもちろんチェックです。
勘の鋭いみなさんなら話の流れから「売の仲介」についての記事であることはお察しいただけますよね?
今回の記事は、不動産を売り出す前に、不動産屋が必ずやらなければならない不動産売却査定について書かれていた記事でした。
※記事では「中古のマンション」を売るときのことに限定されています。
しかしこの記事の内容は、中古のマンション売却に限らず、土地や中古住宅、そして投資用の収益物件や事業用の不動産についても当てはまります。
ぜひ知っておいてくださいね。
このダイアモンドオンラインの記事を要約するとこんなことが書かれていました。
- 不動産の売却査定は不動産屋の担当者によってバラツキがある
- 売主側の専任媒介契約※を取るために「査定額」の操作が行われている
- 相場や売れるであろう金額より高値の査定を出して媒介契約を取ろうとする不動産屋がいる
- 不動産屋の担当者は査定で提示した額では売れないことを知っている
- しばらくは査定額で売り出すものの、売れないと大幅な値下げ交渉が待っている
- 両手取引で買主側の仲介手数料も取るために物件情報を不動産屋が囲い込んでしまうこともある(ほかの不動産屋に紹介させない)
- マンション(不動産)を売るときは、買うとき以上に不動産屋・担当者選びが重要
- 悪徳不動産屋かどうかはネットで調べることができるので、媒介契約を結ぶ前に調べよう
※専任媒介契約とは、不動産の売却にかかる営業活動や契約の調整などを一つの不動産屋に対してのみ依頼できる、不動産売却活動を依頼する契約のことです。ただし、売主さんの自己発見取引は認められます。
こんな内容のことが書かれていました。
記事をご覧になった方、この記事を読んでどう思いました?
仮に読者のあなたが不動産の売主だったとします。
そういう立場に置き換えて考えて、記事に出てくる不動産屋のA社・B社・C社、どの不動産屋に大切な不動産の売却をお願いしたいですか?
A社とB社は査定額を操作して専任媒介契約を取ることが目的の査定を出しました。
C社は売主さんのことを思って本当に売れるだろう査定額を提示して、売却方法についても親身にアドバイスしていました。
でも売主さんはB社に専任媒介契約をお願いしてしまいました。
不動産の売却は、「査定額」が全てではない
売主さんは当然査定額が高い方が嬉しい
このようなやり取りは東京だけでなく地方都市の不動産売買(賃貸でも)の現場でもよくあることなのです。
何も東京に限ったことではありません。
僕の経験上でもこのようなやり方をする不動産屋は、こんな地方都市の静岡や以前1年仕事をしたことがある愛知でも実在しました。
売主さんは自分の大切な不動産ですから、その不動産について当然のことながら誰よりも思い入れがありますよね。
そんな思い入れのある大切な資産である不動産の売却だからこそ、売却活動の前に提示される売却想定額としての「査定の金額」に一喜一憂するものなのです。
査定額に一喜一憂することは当然ですよね。
自分が住んでいた、住んでいなかったとしても自分や大切なご家族が所有していた人一倍思い入れのある不動産なのですから。
相場から離れた査定額を信じたら全然売れないなんてことも
でも、冷静になって考えてください。
その不動産の売却査定額が不動産マーケットの相場からかけ離れた査定金額だったとしましょう。
当然売主さんはその査定額で売れると信じますので、この時点ではテンションは最高潮。
その査定金額を信じていざ不動産を売出しました。
いざ売り出してみたら全然売れないじゃん!
こういうことって悲しいですが不動産の世界だとよく見かける光景です。
こんなことになったら、売主様はどういう気持ちになりますかね?
どっちが満足度の高い取引でしょうか
仮に5,000万円で売り出してスタート。結果として4,000万円で売れました。
という場合と、
仮に4,000万円で売り出しスタート。結果として3,990万円で売れました。
という場合。
金額としては前者の方が10万円高いので、結果としてお金が多くのこるのは前者ですよね。
でもですよ。
後者の方が10万円安いわけですけど、精神的な満足感が高い取引は前者後者どちらだと思いますか?
全員が全員後者を選ぶというわけではないとは思いますが、後者の方が精神的な満足感は高いという方が多いのではないでしょうか?
だって、後者の方が「最初の査定額に騙された」っていう気持ちに全くなりませんからね。
上記のダイヤモンドオンラインの例で考えてみると、査定の金額を算出した根拠の説明や、具体的な販売方法の提案など、一番売主さんの立場に立って親身に売却のご提案をしていたのはC社だったと言えるんじゃないかと考えられます。
※人それぞれ考え方の違いはあるかとは思いますので、そのあたりはご容赦ください・・・
不動産というものは、売れる金額がある程度決まっている
ここで言いたいことは、不動産が売れる金額というのはある程度相場の中で決まっているということなのです。
いくら相場から外れた期待を持たせるな売却査定額が出たとしても、結果として売れる金額は相場に近い実勢価格になるのが常。
よっぽど特殊要因が無い限りは、ある程度相場に近い金額で取引されるのが不動産なのです。
でも、不動産屋は、売主さんからその不動産を売るための媒介契約をもらいたいから、査定額を調整し査定書の見栄えをよくするために、相場から外れた高値を提示することがあるわけですね。
怖いですね・・・
満足のいく不動産売却を成功させるポイント
不動産売却の査定方法には決まったフォーマットがない
実は不動産売却の査定というのは、業界として「こういうフォーマットで査定しなさい」「こういう査定書を作りなさい」という決まったフォーマットというのがないのです。
事実を言うと、不動産屋ごとに不動産売却査定フォーマットは違うのです。
もっと言ってしまうと同じ会社内でも、その担当者によって不動産売却査定のやり方が違うなんてことも往々にしてあります。
これが不動産売却の怖いところで、だからこそ不動産売却査定額というのは、十人十色の査定結果が出せてしまうのです。
つまるところ、不動産売却査定には決まったフォーマットがないがために、今回のダイアモンドオンラインの記事にあるように、売主さんから不動産売却の媒介契約を取りたいがために、相場から外れた金額調整という汚いやり方をしてくる不動産業者・担当者が出てくるわけですよ。
査定の金額だけに一喜一憂しない
これまでに書いたように、不動産売却査定は決まったフォーマットもなく、担当者レベルでいくらでも調整が出来てしまう水物なのです。
だからこそ「査定の金額」だけに一喜一憂せず
- なぜその金額なのか?
- 査定額の根拠は?
- どのような売却活動をしてくれるのか?
- その物件のターゲットは?
こういうことをロジカルに説明してくれて、親身に売却のアドバイスをしてくれる不動産屋さんに売却の依頼をするべきなのです。
不動産売却査定は金額より、金額を出すにあたってのプロセスや丁寧な説明を重視
このように不動産売却査定の中身について、しっかりと根拠立てて丁寧に説明してくれて、かつその不動産のターゲットに合わせた売却戦略を考えてくれる不動産業者・担当者に売却の依頼をすることこそ、売主さんにとって満足のいく不動産売却の秘訣だと、僕は考えています。
もし幸運なことにそういういい不動産屋さん・担当者さんに出会えたとしましょう。
売却査定額というのはあくまで査定額でしかありません。
売主さんのご希望の売却金額などもあると思います。
その場合は売主さんと不動産屋さんで、お互いが妥協・納得ができる両者折衷の売出価格を設定することも可能です。
まずは不動産屋さんとしっかりとご希望条件を話し合いましょう。
その条件が明確になってから、売出金額を決めて、それから売り出してみるのも手ですよ。
余談
不動産屋としては、悲しいかな、やはり媒介契約をいただかなくては仕事にならないのです。
だから、なんとしても媒介契約ほしいというのが本音なんです・・・
でもですよ。
仮に相場から離れた金額で、売れないことをわかっていながら媒介契約をいただいたとしましょう。
ひとまず媒介契約はもらえました。
でも売り出してみたら思った通りその金額では全く売れず、結果としては値引き値引きを繰り返すしかありません。
その値引きの話をするたびに、売主様の気持ちが曇っていくのです。
最後には弊社に売却の依頼をしたこと自体を後悔してしまうかもしれませんよね。
正直なことを言うと、弊社は査定額をあまり高く出すことはありません。
下手に売主さんの期待を高くしてしまって、値引きの連続で大切な売主さんの信頼を裏切るわけにはいけませんので・・・
それに後になって怒られるのも嫌ですから・・・
僕、怒られるのが苦手なので・・・
仮に査定額が低いことによって媒介契約が取れなかったとしても、もちろん自分には何も残らないわけですが、まずは売主さんのお気持ちを裏切ることはしないように心がけて不動産の売却査定をしているのです。
最後は弊社の宣伝みたいな締めくくりになってしまいました、失礼しました(笑)
よく言われますが、不動産というは縁モノ。
多くの不動産売却希望者さんたちが、よい不動産屋・担当者と出会って、その結果よい買主さんに不動産を買っていただけるといいなと。
大切な大切な不動産ですから、静岡の片隅から陰ながら良縁に恵まれることを願っています。