不動産売買契約で「PCB」含有?「PCB」について調査!調査!調査!

静岡市からのPCB含有調査アンケート
静岡市からのPCB含有調査アンケート

おはようございます。新富不動産スタジオの川村です。

突然ですが古い事業用の建物を持っているみなさん!

PCBってご存知ですか??

PCBとはなんぞや??

PCBとはPoly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略称で、人工的に作られた、 主に油状の化学物質です。PCBの特徴として、水に溶けにくく、沸点が高い、熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高いなど、化学的にも安定な性質を有することから、電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、ノンカーボン紙など様々な用途で利用されていましたが、現在は製造・輸入ともに禁止されています。

※環境省のHPより

PCBは平成13年7月15日に施工された「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(PCB特別措置法)により有害物質として指定され、ここ静岡県は2022年3月31日までに今の所有者が指定の処分業者にて処分をしなければならないのです。

なんでこんなことを書いているかって?

今不動産売買のお手伝いをさせていただいている昭和45年築の事業用建物があるんですが、売主さんから市役所からPCBのアンケートが届いたから調べてみてと言われ調査をしているから。

具体的にはみなさんのご家庭でも使っているだろう蛍光灯の内部にある「安定器」と言われる部分にPCBが使われている可能性があるそうです。

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でも安心してください(^-^)

家庭用の蛍光灯には使われていないようなので、対象となるのは事業用建物の蛍光灯安定器だそうですよ(^.^)/~~~

PCB使用機器について

PCBが使用された代表的な電気機器等には、変圧器やコンデンサー、安定器があります。
PCBが含まれている変圧器やコンデンサーは、古い工場やビル等で使用されており、安定器は古い工場や学校等の蛍光灯等に使用されていました。なお、工場や学校などの施設に使用されていた蛍光灯が対象で、一般家庭の蛍光灯にPCBを使用したものはありません。

※環境省のHPより

PCBの毒性

脂肪に溶けやすいという性質から、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、様々な症状を引き起こすことが報告されています。PCBが大きく取りあげられる契機となった事件として、1968年(昭和43年)に食用油の製造過程において熱媒体として使用されたPCBが混入し、健康被害を発生させたカネミ油症事件があります。カネミ油症は、昭和43年10月に、西日本を中心に、広域にわたって発生した、ライスオイル(米ぬか油)による食中毒事件です。症状は、吹出物、色素沈着、目やになどの皮膚症状のほか、全身倦怠感、しびれ感、食欲不振など多様です。

※環境省のHPより

PCB廃棄物処理の経緯

PCBはその有用性から広範囲に使用されるも、その毒性が明らかになり1972年(昭和47年)に製造が中止になりました。それから約30年間に渡り民間主導で処理施設の立地が試みられましたが、地元住民の理解が得られず立地には至りませんでした。
保管の長期化により、紛失や漏洩による環境汚染の進行が懸念されたことから、それらの確実かつ適正な処理を推進するため、平成13年6月22日に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(PCB 特措法)が公布され、同年7月15日から施行されました。

※環境省のHPより

PCBは譲渡禁止らしいです。じゃあ売れないの?

昨日静岡市役所の環境局廃棄物対策課で聞いたのですが、PCBは譲渡禁止だそうです。

つまりPCBを含有した機器を有する不動産を売買したとしても、PCB機器は譲渡できないとのこと(?)

それじゃ売主さんが売りたくても売れないからかわいそうじゃん( `ー´)ノ

ということで市役所に確認したところ、売主さんが売買前にPCBを処分するか、または売買後(所有権移転後)に売主さんの責任と負担でPCB機器を処分するという特約を付けて実際に処分をすれば売買してOKとのことでした!

「売主さん、よかったですね(^-^)」

ということで、PCBの含有調査をさっそく始めることになりました。

万が一含有が認められた場合は、先に売買はする予定なので所有権移転後に売主さんの費用負担で処分する特約をつけることにしました。

でも処分費が結構かかる(-_-;)

今回は対象となりそうな蛍光灯が6灯ですが、ざっくり処分費で60万円ほど。そして役所への届出代行と運送費(九州まで指定業者が運搬しなればならないのです・・・)で約25万円ほど・・・(ただし、処分費は国から95%の補助金が出るそうです)

だから補助金をもらう前提で売主さん負担で30万円ほどになるのかな?

でもいずれにしても、2022年度末には法律の定めで必ず処分しなければならないので、今やるか後でやるかだけの違いですね。

まとめ

PCB含有の機器がついている不動産を所有されている方が、建物付きのままその不動産を売却する場合には必ず売主さんの責任と負担でPCB調査及び処分をしなければなりません。

費用は決して安くないですが、今やって不要資産を手放すのか、それとも処分費をケチって売買しないか。でも結局2022年度末までには処分しなければならないから費用は必ず掛かっちゃうんですけどね(-_-;)

国の定めた有害物質は早めに処分しましょうね!