【新築マンション?中古マンション?】不動産屋が考えるマンション選びのポイント
青空で気持ちのいい一週間の始まりですね。
朝の事務仕事と業務連絡メールが終わり、午後からの地主さん訪問までゆったりとした時間を過ごしながらブログを書いています。
今日は多くの方にとって憧れの、分譲マンションライフについて。
先日、中古マンションを検討されていた方の、マンション購入の手伝いをさせてもらいました。
でも分譲マンションって、新築のマンションと中古のマンションと選択肢があって、いざ欲しいと思ったときに迷っちゃいますよね?
その分譲マンションについて、今回は新築と中古はどっちがいいのというテーマで、それぞれの特徴と見解を書かせてもらいますね。
社会人人生のほとんどを不動産の世界で生きてきて、長年新築分譲マンション販売に携わり、その後中古マンションを取り扱う不動産仲介で開業した川村が、それぞれの良い部分・悪い部分を解説します。
今後、マンションを買って住みたいという方はよかったら見てくださいね!
新築分譲マンションの特徴
まずは新築分譲マンションの特徴について。
新築分譲マンションのメリット
- 誰も住んだことのない新品で気持ち良い
- 最新の設備、最新のデザインを楽しめる
- 共用部分※・管理サービスが充実しているものが多い
- セキュリティが万全
- 完成前のマンションの場合、無料で間取りの変更やカラー変更ができることも
- 完成後10年間の保証が付いてくる
- 仲介手数料が不要、中古マンションに比べて購入諸経費が若干安い
- 修繕積立金が安い
※共用部分とは、エントランスやエレベーターなど、マンションの所有者全員の共有で所有する部分のことを指します。
バルコニーなども実は共用部分になるのですが、その部屋の方しか使用しない部分なので、共用部分のうちの「専用使用部分」という扱いになります。
新築分譲マンションのデメリット
- 金額が高い
- 販売価格に消費税が含まれている
- 購入(登記)した瞬間に1割ほど値が下がる傾向(立地などの条件による)
- 将来の売却の際の価格下落幅が大きい(立地などの条件による)
- 修繕積立基金※が購入一時金でかかる(数十万レベル)
- どんな人たちがマンションの住人になるかわからない
- 完成前の物件の場合、状態が確認できない
- 立地を選べない
※修繕積立基金とは、マンションが完成した直後はマンション全体の修繕費用の積み立てがゼロの状態であり、何か突発的な修繕必要になった場合の対処ができないので、最初に数十万円程度の修繕用初期積立金を収めるのです。それを修繕積立基金といいます。
最近の新築分譲マンションの価格の傾向
新築分譲マンションは、マンションディベロッパー※が土地を仕入れ、ゼネコンに建物を建てもらい、エンドユーザーに分譲(販売)します。
※マンションディベロッパーとは、分譲マンションの仕入れ・開発・分譲を行う不動産業者のことです。財閥系の不動産業者のマンションディベロッパーや鉄道系のマンションディベロッパー、建築業者系のマンションディベロッパーなど、様々な業態の会社がマンションディベロッパーとして、分譲マンションを分譲します。
デメリットの欄で書いた通り、新築分譲マンションは下記のような経費が含まれるため、金額が高いのです。
- 消費税
- 人件費
- 広告宣伝費
- 土地仕入れ代金(土地購入費用)
- 建築材料費
- その他販管費
- 土地の固定資産税・都市計画税
- マンション全体の不動産取得税(土地・建物とも)
そのうえ最近は分譲マンション用地が少なく、マンションディベロッパーの用地仕入れ競争が激化しているので、昔とは比べられないような金額でマンション用地を仕入れる傾向があります。
また建築費が高騰を続けている事情もあり、10年くらい前と比べると販売価格の坪単価が+50万円ほど高い印象です。
75㎡(22.68坪)3LDKの一般的なサイズのマンションで、坪単価が50万円あがると11,340,000円の金額差が。
10年前に新築の分譲マンションを購入した人って・・・お得だったんだな。
中古マンションの特徴
次に中古マンションの特徴を見てみましょう。
中古マンションのメリット
- 新築に比べて価格が安い
- 不動産業者が売主でなければ消費税は無し
- 将来売却する際の価格の下落幅が新築に比べ少ない
- 実物を確認して購入できる
- マンション内の住人の様子をある程度確認できる
- 建物全体の管理状態を確認して買うことができる
- 自由にリフォームできる(専有部分※のみ)
- 希望の立地の物件を選択できる
- 修繕積立基金を払わなくてよい
※専有部分とは、マンション所有者が所有権を持つ部分、つまりお部屋の中を指します。
中古マンションのデメリット
- 人が住んだ物件なのでクリーニングやリフォームが必要
- 設備や内装が新築当時のものなので最新ではない
- 築年数が古いと共用部分・セキュリティ・管理サービスが新築に劣る
- 保証がつかない(中古住宅瑕疵保証サービス※を有料でつけることは可能)
- 仲介手数料を払わなければならず、新築マンションより諸経費が若干高額
- 修繕積立金が改定されて負担が多い(場合が多い)
※中古住宅瑕疵保証サービスとは、建物のインスペクション(建物調査)を専門業者にやってもらい、基準に適合すれば有償でその中古住宅に対して保証を付けることができるサービスです。
中古マンションの価格
新築分譲マンションは先程書いた通り、売主である分譲マンションディベロッパーにかかっている様々な経費や税金の分、販売価格に上乗せされているので価格が高いという特徴があります。
中古マンションの場合は、一般の個人が売主である場合が多く、マンションディベロッパーにかかるような経費や税金は特段販売価格の決定要素に含まれません。
また、中古で売り出される際には、いわゆる「中古相場」での価格決定となるため、新築特需価格のような特殊要素はなく、通常取引されるであろう価格で売りに出されます。
ですから、中古マンションは新築に比べて価格が安い傾向にあり、将来的に売却する際にもその時点の「中古相場」の価格で売却できるので、値下がりのリスクが少ないという価格的メリットがあるのです。
分譲マンションで時々起こる問題
みなさん、タワーマンションや大規模マンションって憧れますよね?
共用部分もありますし、地域のランドマークのような存在になるので
「僕(私)の家、あそこのマンションなんだ」
なんて自慢したいものですね。
こういうマンションの特徴は、面積の大きなプレミアム住戸と、通常サイズの一般住戸がミックスされていることが多いのです。
そういうプレミアム層と一般サラリーマン層が、同一マンションで混在ようなマンションは下記のような問題が起こることがあります。
生活スタイルの違いから来るトラブルや重要事項決定に関する意識の問題
一般サラリーマンと、いわゆる会社経営者などの富裕層の方々だと、生活レベルなどが違ったりするもの。
そこでこのような問題が出るケースも見受けられます。
- 管理サービスの見直しをしたいときに一般層と富裕層で意見が割れ重要事項の決定がしにくい
- 共用部分のマナーに関するトラブル
- 投資物件として購入している区分所有者と居住している区分所有者での意見が割れる
- ファミリー層と独り住まい・ディンクス層での生活習慣の違いによるトラブル
これはタワーマンションや大規模マンションだけに限らず、20戸や30戸レベルの小規模物件でも時々当てはまったりします。
そのため新築分譲マンションでは、購入時点でまだコミュニティが出来ていないので、どちらの方向に行くかが購入する時だとまだわからないのです。
新築分譲マンションは、このようなリスクを含んでいるということを頭の中に入れておかなければなりません。
中古マンションの場合は、そのようなトラブルの類が発生しているか否かを事前に見極めて、そのうえで購入の判断をすることができるというメリットがあるんです。
新築VS中古はどちらがいいという正解はありません
以上のことから、新築マンションと中古マンションのそれぞれのメリット・デメリット、そして住んでみてから起こりうるトラブルについても紹介しました。
ここまで書いたことを見ていると、「中古マンションの方がいいんじゃないか」という体裁になっていますよね?
でも、人それぞれ価値観が違うので、新築マンションと中古マンションの「どちらがいいか」という議題に対する正解はないのです。
人それぞれ価値観も違うしね。新築と中古はこんな人たちにおススメです。
新築マンションが合っている人
- 高くても新品が欲しい人
- 最新の設備や共用部分に魅力を感じる人
- 一生涯そのマンションに住に続ける計画の人
- 誰とでも上手な人間関係を作れる人
中古マンションが合っている人
- 家に無駄な費用をかけたくない人
- 設備や内装はあまり気にしない、もしくはリフォームすればいいと思える人
- 将来そのマンションを売却したり、他人に賃貸する可能性がある人
- マンションに住んでいる人や、建物の管理状況をしっかり確認してから慎重に買いたい人
あなたはどちらですか?
最後に
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
新築分譲マンションと中古マンションの両方を見てきた不動産屋社長の僕が、それぞれの特徴を解説させていただきました。
マンションは高額なお買い物です。
新築分譲マンションを検討するときは、一見目を引きがちなエントランスやゲストルームなどの共用部分や、室内の設備などの豪華さだけに惑わされずに、しっかりと新築分譲マンションと中古マンションのメリット・デメリットを見極めて、悔いのないお買い物をしてくださいね。
また中古マンションの検討をするときには、過去のマンション全体の修繕履歴や管理費・修繕積立金の滞納の有無、修繕積立金の積立額なども、不動産屋に確認して維持管理がしっかりとできているマンションを選んでくださいね。
今回はマンションを購入する際の「新築」VS「中古」についてお話させていただきました。
この記事があなたのマンション選びのヒントになれば嬉しいです!