事故物件の売買取引を終えての不動産屋目線の感想
こんにちは、新富不動産スタジオの川村です。
今朝、静岡市某所の中古住宅売買の残金決済をしてきました。
この中古住宅、いわゆる「事故物件」でして、前の所有者様がご自宅内で亡くなられている物件でした。
この中古住宅売買の経緯は以下の通り。
- 弁護士より相続で揉めている方の不動産売却を手伝ってほしいと依頼を受ける
- その不動産が築9年(当時)の中古住宅で、事故物件であった
- 内見した結果、室内状態が荒れ放題だった
- 事故物件かつ室内荒れ放題、そして売主様がリフォームする予算もない
- 一般消費者への売却ではなく宅建業者または不動産投資家にターゲットを絞る
- 1年弱かけて宅建業者の買取が決定、無事一度目の決済完了
- 売主業者の費用負担で内装や設備のリフォームを実施
- リフォーム済み中古住宅として再販をスタート。通常査定額は1400~1500万円程度のところ1100万円でスタート
- 販売スタート直後に購入希望者が現れ満額の1100万円で売買が成立、本日無事2度目の決済完了
ざっとこんな流れで2度の売買のお手伝いをさせていただきました。
昔幽霊らしきものを見た経験があるので、最初の売却の依頼を受けたときは正直嫌だなと思ってしまっていましたが、仲のいい弁護士の頼みですし、売主様もとても困っていたので依頼を受けました。
今まで事故物件は賃貸の経験しかなかったのですが、今回初めて事故物件の売買のお手伝いをさせていただきました。
正直な感想としては
- 事故物件を気にしない方も意外と多い
- リフォームしてキレイにしてあげれば、意外と売れる
- 通常相場より割安感が出せれば売れる
とっても普通の感想ですが、正直こんな風に思いました。
人それぞれ物事の捉え方は違いますし、仮にこの世のものではないものの存在を信じていない方にとっては綺麗な家が相場より安く買えるからラッキーと思えるものなのかもしれません。
今回は売買を進めるうえで、物件案内・室内確認・リフォーム・引渡し前確認などで何度もこの物件に足を運び室内にも入りましたが、特に何かおかしなことが起きたなんてこともなく、普通の中古住宅や不動産と同じような感じで売買が完了しました。
人によっては何かの存在を感じたりすることはあるかもしれませんが、前述の通り感じ方は人それぞれ。
事故歴のある不動産のことを「心理的瑕疵物件」と言いますが、まさに「心理」的なものなので、気にしない方にとってはいい不動産なのです。
今回の一連の取引で、今回の売主業者は結構儲かりました(笑)
僕は最初から嫌がって自ら買うという選択肢を放棄してしまいましたが、結果からすると自分で購入していればかなりの儲けが出る物件でした。
不動産業では自ら物件を買って、その後売って売却益で稼ぐという手法がありますが、今回の物件も結果からするとお宝物件でした(笑)
今回初の事故物件の取り扱いをして色々と勉強をさせてもらったので、今後また同様の案件に遭遇したら、事業者としてまずは自分で買い取る選択肢からスタートしていこうと思わせてくれた取引でした。
前の記事に書きましたが、心理的瑕疵の告知について今後国交省が指針を策定するというニュースがありました。
事故物件は不動産業界でも告知義務についての解釈が難しい物件。
今後法整備がされて事故物件でも安全安心して取引ができる日が早く来るといいなと思います。
不動産業者の中には悪いやり方で告知を逃れて心理的瑕疵を隠す業者もいるみたいです。
そうすると買主側が心理的にも経済的にも損することになるので、今後の国交省に期待ですね。
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